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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、新型コロナ感性拡大の影響で撮影が中断していたドラマ「浦安鉄筋家族」がとうとうクランクアップ! 中断中に撮影に使用していた家が取り壊されるという前代未聞の事態をどう乗り越えたのか? 涙涙のクランクアップの理由は? などなどをお届けします。
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「浦安鉄筋家族」の撮影が終了した。
途中、撮影に使用していた家が取り壊されるという前代未聞の事態を乗り越えて、12話までの残りのシーンを全て撮り終えたのである。
引越し先の家は、かなり間取りが違っていたし、床の模様も違っているものの、家具や小道具類は全て同じであるため、カメラを通すと意外と分からないかも、という意見も出た。
これは編集で繋がってみないと分からないが、7話では旧家で撮影済みのあるシーンの直後に新居のシーンが出てきて、8話はまた旧家からスタート、とかなり新旧入り混じっているのだが、カメラを通してそれがどの程度の違和感でまとまっているのか、これは見てのお楽しみである。
明らかに家が違うと感じるカットで、演者の誰かが「あれ?」と言い出して揉める、というアドリブ合戦ももちろん繰り広げられているので、そちらも、もはや楽しみにしていただきたいと思う。
それにしても撮影の様子は大きく変わった。
蒸し暑い中、スタッフは全員マスク着用。現場に着いたら、まず検温と手の消毒。我々演者にはフェイスマスクが配られ、本番以外は着用する。
家の窓は開け放たれて換気を保つ。差し入れは個別包装のもの限定。
妙に緊張感漂う現場に最初こそ少し戸惑ったものの、我々の心のディスタンスは阻まれることなく、また集まれた喜びを噛み締めた。
噛み締めたが、噛み締めたのも束の間、ハイカロリーなシーンの連続に初日からボロ雑巾のように疲れた。
そうだ。この家族には、毎回なにかしらのとんでもない事件が起きて大騒ぎになるのであって、普通のドラマにあるような、ただ、普通に会話を交わす、なんていうシーンはほぼない。
一日中ハイテンションに驚いたり怒ったりビンタしたりするシーンの連続なのだ。
改めて思い出した。
くしくも梅雨真っ只中での撮影。
毎日雨が降ったり止んだりしていたが、ロケもすごかった。
雨だから今日は撮影中止……なんてことはできない。
なぜならみんなのスケジュールがない。