まるで別人!現在体脂肪率11%!(AERA 2020年7月20日号より)
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AERA 2020年7月20日号より
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AERA 2020年7月20日号より
AERA 2020年7月20日号より

「デブはタイプじゃない」。そう言われて28歳でダイエットをするもリバウンド。31歳、減量に成功。現在34歳。成功の秘訣は「原理原則を実行しやすい環境づくり」にあるという。AERA 2020年7月20日号で朝日新聞社・朽木誠一郎氏が綴る。

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 緊急事態宣言が明けて1カ月ほど経ったある日。Zoomではないひさしぶりの“リアル”会議のために出社し、ミーティングルームのドアを開けると、「オオーッ」という声が上がった。「また細くなった」「顔が小さい」「モテそう」──同僚たちから口々に上がる驚きの声に「最近、年下の彼女ができまして」とおどけて返す。

 かつて体重115キロから75キロまで、合計40キロの減量に成功した私は、ステイホーム中もダイエットを継続。体重70.5キロ、体脂肪率11.0%と、さらに体を絞った。と言っても、特別なことをしたわけではない。ダイエットの原理原則を知り、それをハック(攻略)することで、理想の体形は誰もが手に入れることができるのだ。

 そもそも私はなぜ体重115キロまで太ってしまったのか。巷にはびこるダイエット本に書かれているように「意志が弱いから」なら、同じ人物がコロナ禍というダイエットがしづらい時期に結果を残したことと整合性が取れない。ここではっきり言っておくと、ダイエットに「意志の力」が及ぼす影響はそう大きくない。ある研究では、ダイエットの運動習慣において、意志の力が及ぶのはおよそ3割ほどだったという。7割は別の要因、つまり、肥満は意志だけの問題ではないのだ。

 肥満に「社会経済的な要因」が深く関わっていることは、医学の世界ではすでに常識になっている。ストレスや相対的貧困、長時間労働といった「環境」が、人を太らせるように働くのだ。

 私の場合、新卒で入社した企業で激務を経験。仕事が終わるのはいつもテッペンを超えてからで、夕食はその時間帯でも開いている安いラーメン屋でラーメンをおかずに白米を食べ、会社に戻ってソファで就寝していた。当然、休日もほとんどなく、あっても家で寝ているだけ。初任給は同世代よりも低く、常に将来への不安がある状態。振り返ると、私が太ったのは、この環境によるところが大きい。

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