相変わらず、世間から「夜の街」が厳しい目を向けられている。“第2波”ともいわれる新型コロナウイルス感染者急増の温床になっているといわれ、なかでもホストクラブからは少なくない感染者が出ている。だが、実際にホストクラブで仕事をする人や店に通う人はごく少数で、実態はよくわからない。また、なぜここまで世間でたたかれているのにホスト通いをやめない女性たちがいるのかも判然としない。そこで、この業界を広く知る“識者”にホストクラブの現状と通い詰める女性たちの心理を聞いてみた。
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話を聞いたのは、「ホス狂いYouTuber」として活躍するあおいさん(24)。YouTubeチャンネル「ぶーちゃんねる」は、わずか開設4カ月でチャンネル登録者数が3万人を超えている。自ら客としてホストクラブに突撃して、さまざまなホストの素顔を引き出す動画などが人気となり、タレントの坂口杏里さんが出演したこともある。
あおいさんは17歳からホストクラブに通い始め、100店舗以上の店を渡り歩いたという経歴の持ち主。その人脈は広く、今ではホストクラブの経営者もあおいさんに相談に来るほどだという。現在は「歌舞伎町の案内人」としての活動にも取り組み、多くの人に夜の街の魅力を発信している。
――連日、東京都の繁華街を中心に「夜の街」が新型コロナウイルスの“感染源”として報道されています。ホストクラブが密集する歌舞伎町は特にやり玉に挙がっている印象です。これについて、率直にどう思いますか。
あおい:接客業なので密になりやすいことは確かです。でも逆に、そう言われているからこそ、必死で安全対策に取り組んでいる実態があることも知ってほしいです。
具体的には、入店時の検温、手洗い・うがい、消毒、マスクをしてない客へのマスク配布、などが行われています。また、客席では密を避ける距離が確保され、アクリル板も設置されています。約30分に一度のペースで、客や従業員が触りそうな場所の消毒もしている。1つのテーブルに付けるキャストの人数を制限している店もあります。