俳優 黒島結菜
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「アシガール」ではとにかく走る女子高生を、「カツベン!」では女優を目指すヒロインを演じた。凛とした佇まいが印象的な23歳が、等身大のいまを語った。AERA 2020年8月3日号から。

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 7月からNetflixで配信されているオリジナルドラマ「呪怨:呪いの家」に、怪奇現象の真相を探ろうとするヒロイン役で出演している。ジャパニーズホラーの金字塔とされるシリーズで、自身も思い入れの強い作品だ。

黒島結菜(以下、黒島):「呪怨─終わりの始まり─」(2014年)は、私が初めて役名を頂いた作品で、ほぼ初めての映画の現場でした。時を経て、違う役で作品に呼んでいただけるのはうれしかったです。監督とカメラマン以外はほぼ同じスタッフだったので、「成長を見せなければ」というプレッシャーもあったのですが、いい緊張感にもつながっていた気がします。

 感情の演出をされる方が多いなか、今回の作品の監督である三宅唱さんは何げない動作の演出が多く、とても新鮮でした。「胸元のごみを払って」「お皿を運んで、台所で水を出して洗って」と、一つ一つ動きを演出していく。

 恐怖で驚いたときの表情も、たとえば“驚き10の場合”“驚き5の場合”と、いくつものパターンで撮っていきました。怖さとはどのようにすれば映像で伝わるのだろう、とみな試行錯誤していた気がします。大学時代につくる自主映画のように、多くの人と一つのものをつくっている、ということを実感できる現場でした。

「呪怨:呪いの家」は、世界に配信されている。現場で意識することはあったのか。

黒島:恋人役の井之脇海さんが台所で布団を被って寝ているシーンがあるのですが、「なんでそんなところで寝ているの?」と声を掛けるとき、日本語では昼でも夜でも「おはよう」と言ってしまう。でも、英語で直訳すると「Good Morning」になる。「それはおかしいから変えよう」という話は現場でもしていました。そんなときは、世界に向けて作品をつくっている、という実感がありました。でも、同時に、そうしたちょっとしたニュアンスが言葉を超えてでも伝えられるようになると面白いだろうな、という気持ちもあります。

 完成した作品を改めて観ると、人間の裏切りや嫉妬、ネガティブな感情といったものが一番怖いんだな、と感じました。

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