昨年3月11日の東日本大震災以来、現在まで頻繁に地震が続く日本。今年1月末には東北のみならず、富士山周辺や茨城沖でも不気味な地震が続発。それらの地震は数年どころか長期間続くと原発の即時全廃を訴える作家・広瀬隆氏が指摘する。

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 日本列島全体が至る所で激震する時期は、かなりの周期性を持っているように見えるので、地震学者・地質学者はモデル解析によってそれを知ろうとつとめてきたが、その周期の予測は確実ではない。地震の源となる岩板の破壊場所が、日本列島の周辺そちこちに存在しており、さまざまな地震源の周期が重なり合っているから、それぞれを分類しても結局、正確には断定できないのである。

 では今はどうなのか。その危険性を最も強く論理づけているのが、昨年の太平洋沖地震によって、日本列島が大きくひずんでしまった巨大な地殻変動である。大津波の被災地の三陸海岸では、陸地面積が大きく減少した。これは、津波の一時的な浸水によって起こったのではなく、地盤そのものが海底に引きずり込まれたことによって起こった土台の変化だ。

 この巨大な地殻変動こそ、次の大地震の引き金である。ある硬いものを強引にねじれば、元に戻ろうとして、そのひずみは反動力を生み出す。それと同じ自然界の調整(反動)運動が、今も引き続いている余震のエネルギー源なのだ。加えて、昨年の地殻変動のひずみがあまりに大きかったため、長期間、おそらく数十年間も、余震や、新たな大地震の影響が続くと予想されているのだ。

※週刊朝日 2012年2月17日号

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