しかし、このシナリオは絵に描いた餅になる可能性もある。
安倍首相が憲法改正を争点の一つに掲げた19年の参院選では、公明は比例代表の得票数が約654万票で、前回から約104万票減らした。安倍首相が維新と進めようとする憲法改正は、公明の支持母体である創価学会に評判がよくない。憲法改正を次の衆院選の争点にすることに、公明党幹部は警戒心を隠さない。
「憲法改正の発議をするのは国会で、最後は国民投票で決めるのがルール。衆院選の争点で憲法改正を掲げて選挙するというのは、憲法改正の道筋として間違っているし、国民投票の形骸化につながる」
だが、日本維新の会の馬場伸幸幹事長はこう話す。
「公明とはこれまでいろいろあり、吉村さんは以前、『公明党をぶっこわーす』と言っていたが、今では維新と公明は超大人の関係です」
(本誌・西岡千史、上田耕司/今西憲之)
※週刊朝日 2020年8月7日号