林:でも素晴らしいです。この好奇心とエネルギーと知性。そしてこの美しさ。どうしたらこの若さと美しさを保てるんですか。エステに行ったりなさるんですか。
芳村:エステ? 行ってないですよ。ずいぶん以前から……。
林:体操とか?
芳村:しない。朝15分の犬の散歩ぐらいしかしてない。ごめんなさい。私、なんにもやってないの。
林:この前、共通のお友達のお誕生日会で芳村さんをお見かけしたら、このあと運転して茅ケ崎まで帰られるって聞いて、びっくりしましたよ。
芳村:東京・茅ケ崎50キロぐらいかな。東名をすっ飛ばすの。なるべく真ん中(走行車線)を走ろうと思うんだけど、ほかのことをいろいろ考えてると、気がついたらいちばん右(追い越し車線)を走ってるのよ。本能的に抜こうというのがあって(笑)。
林:気をつけてくださいよ。ご主人が亡くなって、またテレビとかのお仕事をやろうかなと思ってます?
芳村:だって、85(歳)よ。100(歳)がすぐそこだから、100超えを目指して好きなことをやっていたいなと思う。
林:「こんなふうに年をとりたい」というお手本として、これからも元気でいらしてくださいね。
芳村真理(よしむら・まり)1935年、東京都生まれ。モデルとして活躍後、大島渚監督に抜擢され「霧ある情事」で女優デビュー。その後「血は渇いてる」「斑女」「酔っぱらい天国」など八十数本の映画に出演。フジテレビのワイドショー「小川宏ショー」出演を機に、「夜のヒットスタジオ」「ラブラブショー」「3時のあなた」「料理天国」など、個性ある番組で司会を務める。夫・大伴昭氏(享年89)を一昨年亡くしたばかり。現在、「MORI MORIネットワーク」副代表を務める
(構成/本誌・松岡かすみ、編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2020年8月7日号より抜粋