林:なんかすごい話が次々と……。司会は、どういうきっかけでやるようになったんですか。
芳村:それがね、うちで朝の番組を見てるときに、主人が「真理はこういうのに出るといいんだよ。売り込んでみたら?」って言うの。そうかなと思って、マネジャーと二人でいろんなテレビ局に行ったら、フジテレビの「小川宏ショー」が、木元教子さん(アナウンサー)がおなか大きくなって急に番組をおりなきゃならないというときで、私がキモッちゃんのピンチヒッターで出ることになったの。だからツイてたの。
林:そのあと、「夜ヒット」とか「3時のあなた」の司会をなさったわけですね。そして、女性はそれまでアシスタント的だったのが、芳村さんの登場で、女性が番組の中心、男性はアシスタント的に次々と代わるという形に変わったわけですよね。
芳村:そうだったのかな。「3時のあなた」という番組ができて、ニューヨークでうちの主人と仲がよかった山口淑子さんが帰ってきて……。
林:李香蘭さんですね。
芳村:そう。みんなでごはんを食べたときに、私、山口さんを見てて「この人、絶対テレビに向いてる」と思ったの。「テレビにお出になるお気持ちありますか?」と聞いたら、「私、そういう新しいもの好き」とおっしゃるのよ。それで次の日フジテレビに行って、「山口淑子さん、テレビに向いてる」と言ったら乗り気になって、「3時のあなた」の月、火を高峰三枝子さん、木、金を山口さんがやるようになって、真ん中の水曜日だけ私がやってたんです。
林:すごいですね。国民的大女優が司会なんて。森光子さんはそのあとですか?
芳村:森さんは私のあと。山口さんが海外取材でイスラエルに行ったときに、山口さん、いなくなっちゃったんだって。それで大騒ぎになったんだけど、パレスチナの女闘士でライラ・カリドっていう人がいて、その人に会いに行っちゃったのよ。彼女はライラにインタビューして、それを「3時のあなた」で流したの。山口さんってそういうところがあるの。飛び抜けた大物よ。