ABCお笑い新人グランプリには、最優秀新人賞、優秀新人賞、審査員特別賞の3つの賞があったんだけど、ボクらは狙いを審査員特別賞だけに絞った。

 団長は「安田大サーカスのような濃いキャラクターの漫才では、最優秀新人賞や優秀新人賞をとるのは無理。そんなネタじゃないし、点数も絶対入らない。だったら、なんじゃこいつらってとことん思わせて、審査員特別賞を獲ってやろう」って。

 ボクらは予選を順調に勝ち進んだ。

 そして、無事に決勝まで残って、ネタをやり切った。

 審査結果の発表の時は、めちゃくちゃドキドキしたのを覚えてるよ。

 ボクらは、狙い通り、審査員特別賞を獲ることができた。

 名前を呼ばれた瞬間、まるで自分たちが最優秀新人賞を獲ったみたいに喜んじゃった。たぶん、その年の最優秀新人賞を獲ったコンビよりも、絶対喜んでいたと思う。そもそも審査員特別賞狙いなんて、普通の芸人は絶対しないよね。

 あのABCお笑い新人グランプリの審査員特別賞がなければ、まちがいなく安田大サーカスはとっくになくなっていたよ。

「やった!まだこの3人で活動できる!」って思えたあの瞬間を、ボクは絶対に忘れない。

 来年は、節目の20周年。

 安田大サーカスの活動に期待しててほしいしん!

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも