「法人からきちんと話を聞いて状況を把握しないと、明確なコメントはできませんが、不適切な運営が本当になされているのならば、財団の解散も含め、しかるべき対応をとることになります」(障害福祉課)

 本誌の取材でこの問題を知った、おもちゃ図書館の創設者で財団の元理事である小林るつ子さんは、憤りをあらわにした。

「あきれてモノが言えません。これが事実なら、誠さんは福祉を食い物にしたことになる。お父様の直治さんは、私が自分のお金をおもちゃ図書館につぎ込んでいるのを知って、それじゃいけないと支援してくださった。でも、誠さんはそういうお父様の志を何も受け継いでいない。財団の発足当初は、旧厚生省のOBが事務局長に就任していましたが、誠さんの代になって排除してしまった。自分の意のままにならない人は置きたくなかったのでしょう。こんなことなら、財団はいっそ解体して、一から出直したほうがいい」

 それにしても、資産家のはずの山科氏が、なぜこんな「禁じ手」に出たのか。原因はその人柄にあると、友人や知人は口をそろえる。

「要するに、脇の甘いお坊ちゃんなんです。悪い人ではないけれど、ヨイショに弱くて、周囲は怪しげな人ばかり。安易なもうけ話に乗っては、だまされていました」(20年来の知人)

「女性関係も派手だったし、不動産投資にハマったり、趣味のヨットに大金をつぎ込んだりしていました」(会社関係者)

 既婚者の山科氏が艶福家であることは、自他ともに認めるところだったようだ。バンダイの社長を辞任したころ、
「山科元社長と女優・山咲千里の気になる噂」(「週刊実話」97年6月19日号)
 といった見出しが週刊誌をにぎわせた。女優のかたせ梨乃との関係をにおわせる怪文書が社内で出回ったことも報じられた。

 不倫関係がこじれて裁判に発展したこともある。

 裁判で提出された陳述書によると、山科氏は91年から02年にかけて芸術家のAさんと交際した。40代後半のAさんは、高島礼子似の清楚な和風美人だ。Aさんが話す。

「年は離れていましたが、文学や日本の伝統文化など趣味が合いました。山科さんは奥さんと不仲で離婚する予定だと言うので、つい付き合ってしまいました。いまでは一時の気の迷いだったと猛省しています」

 山科氏はAさんへの思いをラブレターに綿々と綴っていた。以下、その触りだけご紹介すると--。

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