前川さんはキャリアが長いし、俺たちの時代とヒット曲がマッチするから、ディナーショーはすごく楽しい。その一方で、最近は年の締めくくりに「今年も前川さんのショーに来られたなぁ。あと何回来ることができるかなぁ」なんてしんみりしている俺がいる。馬場さんやジャンボ、三沢(光晴)も亡くなって「俺もよくここまで生きてきたな」という思いが年々強くなるね。歳のせいかな、ディナーショーで相撲時代のヒット曲を聴くと思い通りいかなくて悔しい想いをしたときのことを思い出したりしてグッときたり、カントリーミュージックを聴いてちょっとホロっとしてしまう俺がいるんだ。昔はディナーショーの前に酒を飲みまくって、コンサートが始まるとグーグー寝てたいた俺がね、変わるもんだよ(笑)。
前川さんに限らず、コンサートやライブはいいもんだね。いつだったか、仕事と仕事の合間に代表(※娘の嶋田紋奈さん)と新宿の末広亭に行って落語を一緒に聴いたんだ。そしたら代表が「ちょっとした時間に寄席に行こうなんて、大将も粋なところがあるね」なんて言ってね(笑)。落語やコンサートもライブでやるっていうのは、相撲やプロレスをやってきた俺自身と共鳴するところがあるんだね。やっぱり俺はライブが一番面白い! 相撲協会も夏場所は国技館を使って無観客のライブを放送しただろう。ああいう風に国技館を使えるのはすごいね。いやぁ、さすが俺が出たところだって自慢できるよ!(笑)
今はライブもままならない部分があるから安全が第一だけどライブの良さをいかに殺さずに深化していくかが、俺たちの業界もそうだけど勝負どころだよね!
<プロフィール>
天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。天龍プロジェクトpresentsトークバトルをLIVE配信で8月25日に再始動。対戦相手は黒のカリスマ蝶野正洋さん!配信チケット3,500円(税込)は絶賛発売中。配信先https://tenryuproject.zaiko.io/_item/328761
(構成・高橋ダイスケ)