さて、アメリカ時代の一番の音楽の思い出といえば、ジャンボ鶴田と一緒に行ったエルヴィス・プレスリーのコンサートだ! 俺が滞在していたテキサス州アマリロにエルヴィスが来るっていうんで、ドリー(・ファンク・Jr)に頼んでチケットを取ってもらったんだ。俺は興奮してたけど、ジャンボはエルヴィスを知らなくて「誰だい?」なんて言うもんだから、「すごい歌手だよ!」ってジャンボも誘ってね。そしたらジャンボも「いやぁ~、カッコいいね!」なんて、すっかりハマっちゃった。たしかシュープリームスが前座で歌っていたなぁ。でも、俺は嬉しい反面「ビバリーヒルズやハワイみたいな土地でコンサートをしていたエルヴィスがこんな田舎町まで来て、都落ちしたもんだ……」と少し寂しい気持ちになったことも覚えているよ。その後すぐにエルヴィスが亡くなって、ノースカロライナに行ったとき、現地のレスラーが「本当はこの町にエルヴィスが来て、あそこのモーテルを借り切って泊まるはずだったんだよ!」と自慢げに言うんだ。やっぱり、晩年になってもエルヴィスは大スターだったね。彼が“来る予定だった”ことまで自慢話になるんだから。

 俺にはそんなエルヴィスのある言葉に教えられたことがあるんだ。エルヴィスがキャデラックを15台も20台も持っていることに対して「なんでこんなに車を持っているんだ?」と聞かれて、「この商売はどうなるか分からないじゃないか。いつか金がキツくなったときに1台ずつ売っていけば飯が食えるだろう」って言ったというんだ。俺はその言葉に感銘を受けてね、自分が調子いいときに買った物はどんな物でも、ピンチになったら平気で売れるようになった。買った物を守るよりも、家庭を守る方が大切だからね。これは俺が生涯大切にしているエルヴィスの教えだ。

 さて、アメリカではカントリーミュージックやエルヴィスに染まったけど、日本でもコンサートに行く機会は多い。昔は松任谷由実さんや、最近だとCMで共演した平野紫燿君がいるKing & Princeのコンサートにも行ったよ。キンプリのコンサートにいる俺が場違いすぎて、ちょっと照れたけどな!(笑)。そして、ここ20年、毎年行ってるのが前川清さんのディナーショーだ。前川さんとはジム仲間でね、初めてジムでお会いしたときに前川さんの方から「がんばってるね」と声をかけてくれて、「前川さんも見てくれているのか!」と励みになったもんだよ。それからのお付き合いで、ほかのジム仲間に誘われてディナーショーに行くようになった。今ではディナーショーがジム仲間の同窓会みたいになっているよ(笑)。

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やっぱりライブはいいもんだ!