長い間、世界トップの座を争い続けているロナウド(左)とメッシ(右)(写真/gettyimages)
長い間、世界トップの座を争い続けているロナウド(左)とメッシ(右)(写真/gettyimages)
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 メッシとクリスティアーノ・ロナウド――。前者はバルセロナとラ・リーガ史上最多得点記録、後者はレアル・マドリーとチャンピオンズリーグ史上最多得点記録を有する。世界最高の選手に与えられる名誉ある賞バロンドールは、前者が史上最多6回、後者が5回受賞。名実ともにフットボール史上最高の2人である。

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 そんな生きるレジェンドも、それぞれ33歳と35歳になった。未だ驚異的なパフォーマンスはまったく衰えることなく全世界のファンを楽しませ続けており、これからも数々の金字塔を打ち立てていくことだろう。

 しかし、“その時”が確実に近づいていることも事実。さらにピッチ外でも積極的に慈善活動を行う2人のアイコンが去った後、彼らがけん引してきたフットボール界を引き継ぐのは誰になるのだろうか。今回は、メッシとC・ロナウドが果たしてきた役割を担うであろう次世代のスター選手5名を紹介する。

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■キリアン・エムバペ(21歳:PSG/フランス代表)

彼に関しては「次世代の」という言葉は当てはまらない。すでに世界最高のスターの1人であるからだ。4年半前に16歳という若さでプロデビューを飾り、翌シーズンのチャンピオンズリーグで9試合6ゴールを奪うなど全世界に衝撃を与えたが、その後のキャリアでも常にフットボールファンを驚かせ続けてきた。

2017-18シーズンにPSGへ加入すると、チャンピオンズリーグ10代における最多得点記録、史上初の二桁得点を達成。そしてシーズン終了後の夏にはフランス代表の10番を背負い、10代としてあの“王様”ペレ以来となる決勝での2ゴール。母国を20年ぶりの優勝に導いた。同年には“若手版バロンドール”の位置づけである「コパ・トロフィー」も手にしている。すでにリーグ・アンでは117試合で80ゴール。W杯優勝にリーグ・アン4連覇と、21歳にして世界中の誰もがうらやむタイトルを手にしてきた。

同年代時のメッシ、C・ロナウドを大きく上回るスタッツを残すエムバペ。しかし、彼はことあるごとに「通過しなきゃいけないステップはまだ多い。頂点に行くために」と語って来た。彼の頭の中には、世界の頂点への道のりがはっきりと見えているのだろう。だが、その頂点に達するのも時間の問題だ。

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