■ 旅
『12万円で世界を歩く』下川裕治著(朝日文庫)は限られた予算の中、知恵と勇気で乗り切る旅行記で、旅の本屋のまど(東京)店長の川田正和さんが推す。
「赤道直下やヒマラヤ、カリブ海、韓国、中国、インド、シルクロード、東南アジアなどを旅し、各国の物価の違いを体感しながらトラブルに巻き込まれつつ敢行した貧乏旅行は30年経った今も旅好きのバックパッカーたちの心を躍らせます」
『TAIWAN FACEGUIDE FOR 台湾文創』小路輔監修(トゥーヴァージンズ)は旅先として日本人にも人気の高い台湾の現況を把握することができる一冊。川田さんによると「グルメが注目される台湾ですが、今の台湾は文化的にも思想的にも日本よりも一歩先を行っているかもしれません。本書を読めば、最新の台湾を感じることができます」。
■ スポーツ
『野村ノート』野村克也著(小学館文庫)を薦めるのは、書泉グランデ(東京)の春宮善彦さん。書店業界も厳しいが、「この本を読むと、これからも前向きに頑張っていかなくてはと思えます。あの“ボヤキ”や解説が聞けなくなってしまったことにはいまだ慣れません」。
どんな逆風のときも誕生日、結婚記念日など忘れられない日がある。プロレスにもたくさんの記念日がある。ファンには毎日が記念日というのが『プロレス きょうは何の日?』鈴木健.txt著(河出書房新社)である。ちなみに本誌が発売された7月28日はプロレスの神様・カール・ゴッチの命日だそうだ。
(本誌・鮎川哲也)
※週刊朝日 2020年8月7日号より抜粋