デビュー前から阿佐ヶ谷で暮らす阿佐ケ谷姉妹のお二人。作家・林真理子さんとの対談では、お二人の暮らしぶりを伺いました。
※【阿佐ヶ谷姉妹、「何となく」で13年 デビューの意外なきっかけ】より続く
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林:地方の方にも阿佐ケ谷という地名が有名になって、そのうち「名誉区民に」という話が来るんじゃないですか。
美穂(妹):いや、ぜんぜんないんです、今のところ……。
江里子(姉):今のところって、あたりまえじゃないの(笑)。
林:ご近所の方もすごくよくしてくださるんですって?
美穂:そうですね。ご近所のお煎餅屋さんにおかずのおすそ分けをいただいたり、「田舎から野菜をもらってきたから」なんてリンゴとか大根とかをいただいたり。
江里子:餃子もいただいたりね。
美穂:そうそう、煮込みハンバーグとかもいただいたり。
江里子:ほんとにご近所の方に育てていただいたという感じで。
林:だけどこんなに売れても、阿佐ケ谷の6畳一間の狭いアパートに二人で住んでらっしゃるというのが驚きでした。
江里子:もともと私が住んでいた阿佐ケ谷の6畳一間のアパートに、美穂さんが転がり込んだじゃないですけど、一緒に住むようになって。
林:阿佐ケ谷って、都心まで車で1時間弱ぐらいですよね。こんなに売れっ子になったんだから、もっとテレビ局に近い都心に住みたいとか思わないんですか。
美穂:でも、(江里子さんに)阿佐ケ谷は居心地がいいのよねえ。
江里子:そう。赤の他人の二人が、勝手に「お姉さん」「妹」って呼び合って、6畳一間に二人で住んでるのを変な目で見たりせずに、自然に受け止めてくださって。それがすごく居心地がよくて、そういうふところの深さみたいな部分は、ほかの場所にはなかなかないんじゃないかと思いまして。
林:なるほど。阿佐ケ谷でもうちょっと広いマンションに引っ越そうとは思わなかったんですか。
江里子:「6畳一間で二人は、さすがにちょっと厳しいかしら」と言って、阿佐ケ谷で別の家を探そうという話をしていたんです。別々の部屋じゃなくて、もう一部屋ぐらいあればいいかなと思って。
美穂:2DKぐらいね。
江里子:いろいろ探してみたんですけど、なかなかいいところがなくて、途方に暮れたときに、たまたまお隣の部屋の大学院生が引っ越されたという話を大家さんからうかがいまして。ご近所さんとの関係もいいし、「ここがいいわね」ということになって。