3点目は、精神的な負担です。YouTubeでは、「好きなこと」と「再生されること」は異なることが多いです。もちろんプロのYouTuberは「再生されること」を優先して動画を制作します。しかしながら、大人は演技ができますが、子供は素直で、とても正直です。「再生されること」を優先しすぎると、どうしても顔や表情や態度に出るので、ベースの部分では「好きなこと」を動画にするのが前提となります。

 息子は、そもそもYouTubeをやる気がない子どもでした。動画に出演したきっかけが「祖父母に成長を見せるため」だったので「YouTubeに出たい」と自ら言って始めた子どもたちに比べると、圧倒的に熱意は薄かったです。そのため、基本的には息子が遊んでいる動画や好きなことを企画にしましたが、彼は8歳になり、友達と遊んだり、習い事をする方が楽しくなりました。YouTubeの撮影でママと一緒に遊んだり出かけるよりも、好きなことがたくさんできたので、もうYouTubeは卒業することにしました。

 8歳での引退なので、YouTubeに出演していたことは、良くも悪くも彼の将来には、それほど影響しないと思います。幼児向けで出演できるのは7~8歳が限界で、その後は下の子がコンテンツを引き継いだりします。どのジャンルでも演者の加齢は、YouTuberの潮時の目安です。

 キッズYouTuberの進路としては、子供の加齢とともに、ゲーム実況やライフスタイル(日常)系や、乗り物や生き物などの特化ジャンルへ移行するのが一般的です。ティーンエージャーになってもYouTubeでの知名度を維持して活動すれば、アイドルや歌手や俳優、インフルエンサーなどファンを抱えて活躍する仕事に有利です。YouTubeに子供を出演させることが、必ずしも負担やリスクになるとは思いません。むしろ本人の才能が開花したり、将来にプラスになる可能性もあります。

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