■競合しつつも共存してきた鉄道と路線バス

 千葉~成東のバスは国道126号を通って、東金駅などを経由してゆく。バス停をしぼった「急行」も運行されていたが、「列車と違って乗降客がいなければ“各駅停車”でもどんどん通過しちゃうのにな」などと思ったものだ。残念ながら当時の所要時間や運賃の記録を持ち合わせていないのだが、総武本線の普通列車だと千葉~成東が非電化時代で50~80分で160円(1972年)、電化後は43~55分で200円(1976年。現在は43~50分前後で680円)。あとで触れるが、現在運行されている路線バスは75~95分で660円(126号経由。高速経由だと60~65分、運賃同額)。

 これから推測すると、所要時間と運賃を照らし合わせれば鉄道のほうが有利だったハズだが、運行本数はバスのほうが圧倒しており、往路復路ともに「時刻表を確かめずに」乗ることができた点が有利だったのかもしれない。日中の総武本線普通列車は1時間に1本程度だったが、バスはその倍以上は運行されていたと記憶している(千葉~成東は国鉄・JRで37.7キロ、126号経由バスで34.0キロ)。

 この路線バスは趣味の魚釣りの足などとして高校生ぐらいまで利用したが、平成後に千葉中央駅(旧・京成千葉駅)を訪れた際、懐かしのバスターミナルがなくなっているのを目の当たりにしあっけに取られたことがある。
 
 京成電鉄では1987年の国鉄分割民営化に際し、国鉄の千葉駅に隣接している国鉄千葉駅前を京成千葉に改め、京成千葉を千葉中央駅と改称。1992年には千葉急行電鉄(現・京成千原線)が開業し乗り入れ。2002年にバスターミナルがあった東口などがリニューアルされ、ホテルなどが同居する現代風の駅舎となるなど変化を遂げてきた。

 バスターミナルのあった東口では路線バスとの連絡はあるものの、路上にバス停が設けられている。一方、西口にはバスターミナル設けられ、現在は成田空港や羽田空港などをと結ぶ高速バスなどが発着。かつての成東行きは1999年末にJRの千葉駅前の発着に改められ、千葉中央駅には立ち寄らなくなったのであった。

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千葉駅からはいまも近距離、長距離バスが発着