古市憲寿さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・高野楓菜)
この記事の写真をすべて見る
古市憲寿さん (撮影/写真部・高野楓菜)

 毒舌ともいえるはっきりした物言いが注目される社会学者・古市憲寿さん。一方で2作連続芥川賞候補となるなど小説家としても活躍する。作家・林真理子さんとの対談では、最新作『アスク・ミー・ホワイ』について語りました。

【古市憲寿さんの写真をもっと見る】

<古市憲寿の“省エネ人生”小学生の頃から「世論の操作」を考えていた!?>より続く

*  *  *

林:不思議なのは、こんなにテレビに出ていて、どうして小説を次々と書けるんですか。古市君の一日って、どういう一日なんですか。

古市:たとえば今日だったら、朝6時過ぎに家を出てフジテレビに向かう。「とくダネ!」に出演して、10時半ぐらいに家に帰ってくる。エッセーを1本書いて、今度出す本のゲラを直して、真理子さんとの対談。このあと夜は出版社の人とごはんです。

林:そうすると、集中して執筆するのは夜ですか。

古市:夜が多いですね。でも、集中力がぜんぜんない。長時間、座り続けて文章を書くなんてできないんで、数十分のこま切れです。すき間時間に書くことが多いです。

林:いつもノートパソコンを持ち歩いてるんですか。

古市:小説を書くときはノートパソコンが多いですね。エッセーだとiPhoneで書いちゃうことも多いですけど。

林:えっ、エッセーをiPhoneで書くんですか?

古市:エッセーぐらいだったらiPhoneで書けますね。真理子さんは一日何時間ぐらい書いてるんですか? コロナの前は毎晩会食だったでしょう?

林:そう。だから土日にびっちり働いてました。コロナになってからは、日によって違うけど、5~6時間は書いてるかな。エッセーだけが締め切りの日は3時間ぐらいだけど、小説の長いやつの締め切りがあると、7~8時間は書いてますよ。

古市:「anan」の1回のエッセーはどのぐらいで書けるんですか。

林:早く書けるときは1時間ぐらいで書けるけど、書けないときもある。うちの夫は「よくそうやってボーッとテレビ見てられるな」と言うけど、ボーッと見てるときもいろいろ考えてるんです。

次のページ