すでに世界のIT業界はマイクロソフトやグーグル、アップルなどが席巻していて、日本のITベンチャーはむしろ宇宙のほうにチャンスがあると確信していたので、JAXAのアドバイザーを引き受けました。
その場所に現役のITベンチャー経営者であるホリエモンがいたんです。JAXAも有名人好きのミーハーな組織なのかと疑いましたが、驚いたことに、ホリエモンはITではなく、宇宙の専門家として参加していました。
ホリエモンは机上の空論的な知識を振りかざしていたのではありません。旧ソ連製のカプセルなどを買い込み、すでに、現実的な宇宙ベンチャービジネスのプランを持っていました。
このアドバイザー会議はさまざまな具体的な提案を行いました。日本の宇宙開発では、宇宙飛行士ではなく、日本の強みであるロボットを着陸させるというアイデアも出ました。大震災で中断していますが、「月面ロボットチャレンジ」のもとになったアイデアです。
ビル・ゲイツがマイクロソフトを始めたとき、パソコンは普及していませんでした。ましてや巨大産業になるなど誰も想像すらしていなかった。むしろ、多くの人に笑われていたんです。
多くの人から理解されずに、笑われるからこそ、新しい産業をつくることができるのだとすれば、その素質を持った数少ない日本人、ホリエモンの社会復帰がいまからでも待ち遠しい。
ホリエモンよ、塀の中で焦る必要はない。宇宙は130億年前から君を待っているのだから。
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