コロンバニさんの作品には、女性に敬意を払い、サポートを惜しまない善意の男性が登場する。

「私の小説は女性に向けて書いていますが、同時に、彼女たちを愛する男性にも読んでほしいと思っています。私自身、善意にあふれた男性に人生で出会ってきましたから。私はフェミニストですが、同時に平和主義者、楽観主義者でもあります」

 本の最初と最後には、19世紀、十字架の娘修道院の無名修道女の詩が添えられている。女性会館はこの女子修道院の跡地に建てられた。時代によって解散させられた女性たちの共同生活の場所に、ブランシュは新たな施設を作ろうと決意したのだ。

「いつの時代も明日の女性たちのために、今日、働く人びとがいます。女性たちの連帯は大陸を超えて、時代を超えて続いているのです」

(ライター・矢内裕子)

■ブックファースト新宿店の渋谷孝さんオススメの一冊
『カネなしアラサー、おふたりさまぐらし 健康で文化的な老後のための資産形成物語』は、オタクな趣味を持つ人の節約あれこれが詰まった一冊。ブックファースト新宿店の渋谷孝さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 いずれやってくる老後、年金だけでは生きていけないことが公表され、さまざまな不安を感じているアラサー女子2人。同じオタクな趣味を持つ2人は、なるべく「推し」と趣味に使うお金の節約はしたくありません。そんな彼女たちが老後に必要な資金を貯めるために選んだのは、「ルームシェア」でした。ファイナンシャルアドバイザーの先生とともに色々と学んでいくエッセーコミックです。

 物件を決める時の裏技あれこれ。日々の暮らしの中でできる節約。入っている保険の見直し、どちらかが病気になった時にどうするのか。また、投資などちょっと知りたいけど、調べるのはなかなか面倒くさいお金の話がてんこもりです。私自身を含め、あまり計画性のないオタクな趣味を持っている人がどう節約できるのか、色々と勉強になる作品です。

AERA 2020年9月7日号