Laetitia Colombani/1976年、フランス・ボルドー生まれ。小説家、映画監督、俳優。監督作品にオドレイ・トトゥ主演「愛してる、愛してない…」がある(写真:gettyimages)
Laetitia Colombani/1976年、フランス・ボルドー生まれ。小説家、映画監督、俳優。監督作品にオドレイ・トトゥ主演「愛してる、愛してない…」がある(写真:gettyimages)
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 AERAで連載中の「この人この本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。「書店員さんオススメの一冊」では、売り場を預かる各書店の担当者がイチオシの作品を挙げています。

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『彼女たちの部屋』は、時代を超えて連帯する、様々な女性たちの物語。パリに実在する保護施設を舞台に、現代の女性弁護士・ソレーヌと、約100年前の創設者ブランシュの人生が一つになっていく様子を描く。著者のレティシア・コロンバニさんに、同著に込めた思いを聞いた。

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 初めて書いた小説『三つ編み』がフランスで120万部のベストセラーとなり、『彼女たちの部屋』もすでに15万部を超えたレティシア・コロンバニさん(44)。本書はブレイディみかこさんが「この苦難の時代にこそ読んでほしい、シスターフッドと希望の書」とコメントを寄せた、待望の第2作だ。

 舞台となるのはパリに実在する「女性会館(パレ・ドゥ・ラ・ファム)」。様々な事情で困窮した女性を保護するシェルターだ。

「3年前、たまたまパリ11区にある女性会館の前を通りかかって、ヨーロッパ最大級の女性専用シェルターであることを知りました。そこから会館の歴史や、創設者ブランシュ・ペイロンに興味を持ったのですが、知れば知るほど、ブランシュの運命と献身には圧倒されました。『小説の題材がここにある』と思い、会館の創設者であるブランシュはもちろん、今、会館を運営する人びとやそこに暮らす人びとまで、連綿とつながる女性たちを通して、会館の物語(歴史)を語ろうと決めました」

 物語は現代のヒロイン、辣腕(らつわん)弁護士であるソレーヌの挫折から始まる。失意のソレーヌは女性会館で代書人のボランティアを引き受け、暴力や貧困、差別から困窮する女性たちと出会い、その声を聞くことになる。

「前作の『三つ編み』では現代の三つの地域に生きる3人の女性の運命を交差させましたが、『彼女たちの部屋』では視点を変えてみたいと思いました。本作では約100年前と現代、二つの視点から物語を構成しました。こうした方法は、私に合ったスタイルだと思います」

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