
8月29日(土)、関東地区2カ所の屋外球場でプロレスが開催された。
神宮球場(=神宮)と川崎球場(=川崎)。
過去に名勝負を生み出した球場で開催される久しぶりの興行。胸を躍らせたファンも多かったはずだ。
独特の雰囲気を醸し出す『屋外球場プロレス』には大きな魅力が詰まっている。空のないドーム球場とは異なった世界を作り出し、戦う男たちの姿も普段とは別人のように思える。
神宮の杜にプロレスが帰ってきた。
新日本プロレスは21年ぶりに東京・明治神宮野球場で、ビッグマッチ『SUMMER STRUGGLE in JINGU』を開催。新型コロナウイルス禍、観客数制限が設けられた中だったが、現在の新日本が凝縮された熱戦が繰り広げられた。最後は内藤哲也のタイトル奪還とともに美しい花火の中、大盛況で幕を閉じた。
新日本が神宮で興行を行うのは、1999年8月28日『GINGU CLIMAX』に続き2度目。
前回はグレート・ムタ(武藤敬司)vs グレート・ニタ(大仁田厚)戦がメイン。試合形式は、『ノーロープ有刺鉄線バリケードマット時限装置付き電流地雷爆破ダブルヘルデスマッチ』。覚えられないほど長いタイトルの試合は、ニタが自爆から呆気なくフォール負け。予想されてはいたが、消化不良の決着だった。
また佐々木健介vs高田延彦(当時PRIDEを主戦場として活動)戦が急遽中止になったのも、様々な憶測を呼んだ。
前述の試合中止トラブルの主役となった高田。自身の団体UWFインターは、新日本より先に3度、神宮を使用していた。
1993年12月5日は、高田vsスーパー・ベイダーの『プロレスリング世界ヘビー級選手権試合』がメイン。約4万6千人を超える大観衆を集める超満員札止め大会となった。
1996年8月17日は『“挑戦”神宮花火ジャック』と名付けられ、天龍源一郎、初代タイガーマスクなども参戦。
そして96年9月11日は『旗揚げ5周年記念特別興行ファイナル~』。川田利明vs高山善廣、橋本真也vs佐野友飛、『プロレス大賞・年間最高試合賞』に選ばれた高田vs天龍など、豪華なシングル戦が並んだ。