多くの女性に支持されているコミックを原作に、男と男の切ない恋愛模様を描く映画「窮鼠はチーズの夢を見る」に主演する大倉忠義さん。自分を好きになる女性と受け身の恋愛しかしてこなかった主人公、恭一役を繊細に演じる。男同士の恋愛について、また演じることへの思いなどを聞いた。
【前編/関ジャニ・大倉忠義「色っぽくもあって」と、相手役の成田凌を語る】より続く
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──今回は女性とも男性ともラブシーンがあります。身も心もさらけ出すような赤裸々なシーンに、抵抗感はなかったですか。
なかったですね。女性とのラブシーンはすごく気を使いましたけど、意外とね、スタッフさんは僕や相手役の成田凌くんが裸でいることにすごく気を使ってくれるんですよ。「隠さなきゃ!」みたいな。でも、僕らは前張りもしてますし、見られたくないところは隠れている。男同士やし、あっけらかんとしたもんなんです。でも、それもこの映画のポイントかなと。朝、目覚めたときに裸同士でも、恋愛感情がないと、ここは見られたくないとか、かっこよく見られたいとか、駆け引きみたいな感情がないんですよね。だから恭一と成田君が演じる今ヶ瀬、それぞれの心情にも落差があるんだと思う。そこは象徴的ですね。
──なるほど。映像で見ると生々しくてドキドキしましたが、現場の雰囲気はまた違うんですね。
まぁ、でもやってることは実に生々しいんでね(笑)。ただ、フリー演技ではなくて、監督の指示通りです。だから段取りというか、振り付けみたいなもんなんですよ。でも、それを聞くとさめちゃうかもしれないから、あんまり聞かないほうがいいと思います(笑)。
──本来は6月公開予定でしたが、コロナの影響で延期となりました。自粛期間はどういうお気持ちでしたか?
いや、ホントに公開がいつになるかわからない状態で、もしかしたら来年になるかもなと思っていたので、3カ月の延期で公開できるのは本当に嬉しいですし、ありがたいですね。