遺作ドラマが放送される三浦春馬さん(C)朝日新聞社
遺作ドラマが放送される三浦春馬さん(C)朝日新聞社
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 俳優の三浦春馬さんが告げた、突然のこの世との別れは、多くの人に衝撃を与えた。7月に天に旅立ったあとも、“春馬ロス”が起きている。

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 ドラマや映画、ミュージカルでも存在感を示した。さらに歌手としての活動も順調で、8月26日に発売されたセカンドシングル「Night Diver」の収録曲が、9月7日付ビルボードダウンロードチャートのトップ10に3曲ランクイン。出演映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」も大ヒットし、9月15日からは、遺作となる松岡茉優主演のテレビドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)が放送開始。放送前から期待が高まっている。

 芸能評論家の三杉武さんは、三浦さんの人間性が、悲劇性をより強めているのではないかとみる。

「“カッコいい”よりも“美しい”という表現が似合う方でした。売れっ子になってもおごることなく謙虚で、どんな仕事にも真摯な姿勢で挑む。亡くなった時に俳優や監督があれだけコメントすることからも、愛されていたことがわかります」

 コラムニストでテレビ・ドラマ解説者の木村隆志さんは言う。

「『ごくせん』や『ブラッディ・マンデイ』、映画『恋空』に出演した10代のころはアイドル俳優的な人気。一方で母性本能をくすぐるタイプでもあり、20代になって年下男子ブームが起こるなど、年配のファンも多かった。近年はミュージカルでの活躍の評価も高く、懐の深い万能選手になってきたところでした」

 華やかさの中に質実剛健さを持ちあわせ、「若い世代にとっては、こんなにもいい人だという存在になっていたようですね。『おカネの切れ目が~』が、若いファンを新たにつかむきっかけになったかもしれません」(木村さん)と惜しむ。

「おカネの切れ目が~」は、三浦さんの悲報を受けて放送中止の可能性もあったという。だが、ファンらからの放送を強く望む声に応え、当初8話の予定を、三浦さん収録分の4話までで完結するように脚本を書きかえて放送する予定だ。亡くなる前日まで収録に臨んだという、三浦さん最後の姿を目に焼き付けたい。 (本誌・太田サトル)

*週刊朝日 2020年9月25日号

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