9月18日、主演するAmazonオリジナルドラマ「誰かが、見ている」の配信がスタートする。何度もタッグを組んだ三谷幸喜の脚本・演出によるシットコムだ。AERA 2020年9月21日号から。
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これまでタッグを組んだ数は11作品。もはや昵懇(じっこん)の仲といえる香取慎吾と三谷幸喜が、新作コメディードラマ「誰かが、見ている」を世に送り出す。ジャンルはなんと、「シットコム」だ。
シットコムとは、シチュエーションコメディーの略。通常の連続ドラマとは異なり、家の一室など特定の舞台の中に複数の人物が代わる代わる登場し、軽妙な会話を繰り広げて物語を展開していく。アメリカでは一大人気ジャンルであり、「奥さまは魔女」「フルハウス」「アルフ」などは日本でも放送され、人気を博した。
実は、三谷と香取がシットコムに挑戦するのは、今回が初めてではない。
■5歳児を演じたら
香取慎吾(以下、香取):18年前に「HR」という三谷さん脚本のドラマで、高校教師の役を演じさせてもらいました。それが僕とシットコムとの出合いです。でも、それからほかの作品を観たり、出演したりする機会がなかったんですよ。それで「日本でも、もっといっぱい作ってくれたら観るのになあ」と個人的に思っていたら、また僕が演じることになりました(笑)。三谷さんに声をかけてもらったときは、すごくうれしかったですね。
香取が演じる舎人真一(とねりしんいち)は、三谷いわく「社会に適合できないタイプ」。とはいえ、本人は働く気満々で、警備員やアシスタントディレクターなど、さまざまな仕事にチャレンジしていくのだが、行く先々であり得ない失敗を犯し、周囲の人々を困惑させてしまう。そんな舎人を、壁に開いた穴から密かに観察して楽しんでいた隣人の粕谷次郎(佐藤二朗)と、その娘のあかね(山本千尋)は、舎人の日常を勝手に撮影して動画配信することを思いつく。本人の知らぬ間に、舎人はネット上で人気者になっていき、次々と予想外の展開が繰り広げられる。