店頭に多くの樽を出す打田漬物。写真は冬に撮影したもので、手前のくき大根は11月ごろから店に並ぶ (撮影/写真部・松永卓也)
店頭に多くの樽を出す打田漬物。写真は冬に撮影したもので、手前のくき大根は11月ごろから店に並ぶ (撮影/写真部・松永卓也)
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京都人が好きな「いいもん」20選を取り寄せる (週刊朝日2020年9月25日号より)【1/2】 
京都人が好きな「いいもん」20選を取り寄せる (週刊朝日2020年9月25日号より)【1/2】 
京都人が好きな「いいもん」20選を取り寄せる (週刊朝日2020年9月25日号より)【2/2】 
京都人が好きな「いいもん」20選を取り寄せる (週刊朝日2020年9月25日号より)【2/2】 

 古都が最も美しく映える季節、秋。紅葉の名刹を訪ねるのもよし、匠が作る秋の味覚を堪能するもよし。しかしコロナ禍の今年は、「そうだ京都、行こう。」という気分になれない人も多いのではないか。この秋は、美食を取り寄せることで、自宅で京都気分に浸るしかない。

【一覧で見る】京都人が好きな「いいもん」20選をご紹介!

「京の台所」と呼ばれる錦市場は、京都のメインストリートである四条通の1本北にあり、東は錦天満宮前から西は高倉通まで、長さ390メートルの商店街だ。

 食品を扱う店を中心に約130店舗が並び、漬物、湯葉、豆腐、佃煮、乾物、魚、野菜や茶など京都の食生活に欠かせない食材が手に入る。京都市民は「ちょっといいもん」が欲しくなったら、ここに買いに来る。

 この地域には清涼な地下水が流れている。井戸水で生ものを冷やしていた時代に、新鮮な魚を京都御所に納めようと店が集まった。1615年には幕府から魚問屋の称号を与えられ、魚市場として栄えたという歴史がある。昭和2年に京都市中央卸売市場ができたことを機に、卸売りから小売りに転換。現在の形になっていった。

 今でも多くの店舗が、豊富に湧き出る地下水の恩恵を受けている。

 たとえば、1790年からこの地で京ゆばを作っている湯波吉。厳選した大豆と地下水を使い、昔ながらの手法にこだわっている。生ゆば、乾燥ゆばなど各種作っており、十代目若主人がプロデュースした「十代目つまみゆば」はとろとろとした柔らかさが特徴だ。

 川魚を扱う山元馬場商店もその一軒だ。

「地下水を利用した生け簀で、24時間365日泳がせています。春から夏にかけては鮎が名物で、一流料亭に出荷しています。天然活け鮎はその季節なら取り寄せもできます。送る直前に氷締めするので、鮮度がいいんですよ」(京都在住のライターで『京都とっておきのお取り寄せカタログ』の編集担当の小西尋子さん)

 錦市場らしい歴史と活気、店主の心意気が感じられる。

 しかしそうした錦市場にも、コロナ禍が多大な影響を与えている。京七味の店・ぢんとらの野村暢子さんが説明する。

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