
元TOKIOの山口達也が酒気帯び運転で逮捕された。そのニュースに、既視感のようなものを覚えたのは自分だけだろうか。ジャニーズをやめた人が落ちぶれていくというパターン、それは何度となく目にしてきた光景だ。
【写真】副社長となったタッキーのカッコよすぎるショットはこちら
ただ、ここ数年はそうでもない展開も増えてきた。たとえば「SMAP騒動で変化した独立劇、win―winの形を模索…『少年隊』錦織&植草年内退所」(スポーツ報知)という記事が出るなど、ジャニーズをやめてもそれなりになんとかなりそうな雰囲気が醸成されつつある。かつては「win―win」どころか、ジャニーズのひとり勝ちだったのだから、これはこの芸能帝国の地盤沈下でもあるだろう。
その転機が、2016年のSMAP解散だったことはいうまでもない。折しも、解散直後に独立した「新しい地図」の3人が最近、相次いで健在ぶりを示した。草なぎ剛は映画「ミッドナイトスワン」にトランスジェンダーの役で主演、香取慎吾は三谷幸喜と組んだ「誰かが、見ている」(Amazonプライム・ビデオ)で、コミカルな演技をみせ、稲垣吾郎は「『ベートーベン250』プロジェクト」のアンバサダーとして「クラシック音楽館」(NHKEテレ)などに登場という具合だ。
また、今年独立した中居正広も担当していた番組を失うことなく、テレビに出続けている。
ではなぜ、SMAP解散が転機となったのか。これはもともと、SMAPを育てた飯島三智マネジャーがグループごと独立させようとしたことから始まった出来事だが、木村拓哉が残留を希望したことから計画が頓挫。モメにモメたあげく、3人だけの独立という中途半端なかたちとなった。
結果として、3人はそれぞれの冠番組を失うなど多くのメディアから干されてしまう。そのまま、過去に独立した多くのジャニーズタレントのように尻すぼみになっていくことも危惧されたものだ。
当時、世論は3人に同情的だったものの、何も手を打たなければやはりジリ貧だっただろう。そこで、飯島マネは一種のゲリラ戦を仕掛けていく。地上波のテレビが無理ならと、ネットTVに出演させたり、YouTuberをやらせたり、アンチジャニーズ的な出版社の雑誌に登場させたり。また、ジャニーズ事務所が3人の活動に圧力をかけたかどうかをめぐり、公正取引委員会が介入したこともあり、公平性をモットーとするNHKでの仕事を開拓した。