薬物依存症の報道でもそうだけど依存症そのものを報じるより個人の人格否定になりがち。今回は著名人の飲酒運転事故で法を犯しているから、個人を否定する報道になるのもわからなくないけど、個人の人格否定ではなく、どうしてこうなったかということを報じるときに、アルコール依存症という病気もありますと正しく広めるというのも大事なのではないかと思った。たくさん酒を飲む人に対して「アル中」って簡単に言いますけど、アルコール中毒とは違って、アルコール依存症は病気だから。

 アルコール依存症の人は結構な数で存在する一方で、お酒を飲んでも次の日きちんと仕事ややらなければならないことをやって、楽しみながらお酒を飲んでいる人がほとんどなんですよね。圧倒的にそういう人のほうが多い。皆さんちゃんと生活しているわけだから、ただ単に「お酒が危ない、危ない」って言うのはよくない。決して危なくないけれども、アルコール依存症という病は存在していて、苦しんでいる人もいますよっていうことをきちんと報じるのが大事だと思う。

 覚せい剤と違って、アルコールはコンビニでも誰もが簡単に手に入れられるもの。それだけ身近にあるものだから、日本では二十歳からしか飲めないようにして、大人が自分の責任でやってくださいね、っていうものなんですよ。

 僕はお酒が大好きだから、大人としてルールを守りながら飲み続けますけどね。僕も酔っ払うまで飲んでしまうこともあるから依存症なのかもしれないし、誰しも依存症になりうるからこそ、著名人のニュースをきっかけにいまこそ正しく知らしめるべきではないかと思うんです。

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ

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