このほか、昨年5月17日には、

<僕夏にまた戦争ものをやるから零戦貸してもらえないかな?>

 というLINEも来ていた。卯都木さんがこう説明する。

「春馬は映画『永遠の0』で零戦パイロットとして戦死した祖父を調べる若者役として出演したことがあるからね。私が本物の零戦を所有している人を知っているので、そういうLINEが来たんです」

 春馬さんとの最後のLINEのやりとりは今年3月4日。

 卯都木さんが、「お互いコロナで大変だと思う。こちらも、イベント中止で500万円近いマイナスが出ている。なんとかやりくりしているが、水1ケース千円程度でも、春馬から届けば、地域の応援にもなる。春馬のイメージも上がるし、検討よろしく」というメッセージを送ったのだった。

<お疲れ様です。ウツギさんのところも大きな影響が出ていますね……こちらも舞台の公演が飛んだりと、厳しい状況です。お水! かしこまりました。地元に少しでも活気が漲るなら、送らせて頂きます!>

 本当に、500ミリの水のペットポトルの入ったものを2ケース送って来たという。これを最後のメッセージとして、LINEが途切れた。

 卯都木さんによれば、春馬さんとは毎年夏にサーフィンしていたが、今年はコロナの影響により、外出自粛や県外をまたぐ移動の制限などにより、できなかったという。
 
 春馬さんは複雑な家庭環境の中で育った。小学1年の頃、母に連れられて実父の家を飛び出した。数年後の小学校高学年になると、母親は再婚。新しい父親の元で暮らした。新しい父親は地元の老舗のホストクラブの経営者の息子で、その店でホストとして働いていた。

「春馬は、母親は外に働きに出ていたから、子供の頃は学校から帰ると一人でカップラーメンを食べるような生活をしていた時期があった、というようなことを言っていました」

 親に対する、複雑な思いが春馬さんにはあった。茨城にサーフィンをしに来ても、実家には寄らずに東京の自宅に帰っていったという。

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「気の短いところがあった」と振り返る卯都木さん