冒頭の『サーフ・スプラッシュ』の解説文では、家庭への複雑な思いを次のように綴っている。
<帰る家は暖かい家庭そのものに見えたが、カギのかかった空間がいくつもあるような場所だった。足早に台所を通り過ぎる時、一人の人間として父が必要とした女の人が、彼女の子供たちのために食事の支度をしている。晩の食卓の賑やかな景色が、私にはガラス越しのものに見えた>
<私は父に人生を好きに生きてくれたらいいと思っていた。連れ子という荷物がいることを面倒に感じられたくなかった>
こうした生い立ちが自殺に影響したとの報道も少なくないが、竹内さんの親族の一人は本誌の取材にこう語った。
「複雑な家庭環境といってもそんなに大げさなものではないし、全然苦しんでなんかいない。本当の原因なんて、誰にもわかるわけがありません」
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(本誌・上田耕司、岩下明日香/今西憲之)
※週刊朝日 2020年10月16日号より抜粋