これに対して、9月7日に共同会の理事長・草光純二氏は「職員の皆さんへ」と題した文書を職員専用のサイトに公開。その文書には、外部に情報提供したのは園の内部の人間ではないかと疑い、その人物は懲戒処分にする可能性があることなどが書かれていた。同文書も、県などに匿名で情報提供があったことから、県議会で共同会のコンプラインス意識が問われる事態となった。10月8日には黒岩祐治知事も会見で「共同会のガバナンスは問題があると言わざるを得ない」と批判した。

 本サイトも同じ文書を入手したが、確かに疑問を感じる箇所が少なくない。

<何ら事前連絡なく突然に来所して調査を行うことは、県と指定管理者の信頼関係を損なうものであり、県に厳重に抗議し、障害サービス課長から謝罪がありました>

 と県の“抜き打ち”の調査に不服を訴え、疑惑となった「閉じ込め」行為に関しては否定したうえで、

<障害サービス課長からは「虐待の疑いを晴らすために、園から市に虐待通報するほうがかっこいいですよ」という提案がありましたが、園の職員の意見のとおり、法人(※共同会のこと)としては虐待を行っているという認識はないので、きっぱりとお断りしました>

 と、園から通報する意思はないとも取れる記述があった。なお、県議会の質疑において、担当課長は共同会への謝罪は否定、通報を促したことは認めている。

 最も問題なのは、文書の後半に記されている一節だ。

<記事の内容から、この関係者は園の職員であることも推察されます。もし、職員が事実とは異なる情報を外部に通報し、許可なく園内の写真を提供したのであれば、誠に遺憾であり、懲戒処分の対象にもなり得ると考えております>

 前述のように、虐待が疑われる行為があった場合には、それが施設の職員であろうとも、市町村に通報することが法律で義務付けられている。厚生労働省の指針では「自分の意思で開けることのできない居室等に隔離すること」も禁止行為として挙げられている。もし理事長が通報者に対して懲戒処分をちらつかせていたのだとすれば、コンプライアンス上の重大な問題をはらんでいる。

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今までに98件もの「身体拘束」があった