子どもたちが形を作ると、こんなにバラエティー豊かなものに(筆者撮影)
子どもたちが形を作ると、こんなにバラエティー豊かなものに(筆者撮影)
この記事の写真をすべて見る
こちらは焼きあがった丸パン。甘い香りが広がります(筆者撮影)
こちらは焼きあがった丸パン。甘い香りが広がります(筆者撮影)
材料の置き方はこちらをご参考に!(筆者提供)
材料の置き方はこちらをご参考に!(筆者提供)

 パン作りについて、どんなイメージをお持ちですか? 

【イラスト】材料の置き方はこんな感じで!

 膨らまなかったり、手がべとついたり……こんなに大変なもの、子どもと一緒に作るなんてもってのほか!とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 しかし、いくつかのポイントを押えて生地を作れば、今までのパン作りの概念が覆るほど、簡単に美味しいパンを作ることができちゃうんです。もちろん、子どもと一緒に作ることも可能です。

 失敗しない親子のパン作りのポイントは、この3つ。

其の一 イースト菌の好き嫌いを知るべし
其の二 ひとまとまりになるまで、手は使うべからず
其の三 成形時に生地を親子で分けるべし

 ずはパンを発酵するのに欠かせないイースト菌の性質を理解することで、パンが膨らまない!なんで?という事態を免れることができるのです。実は、パン作りにおいては、ボウルのなかでイースト菌とその他の材料を最初にどこに「置く」かが、重要なのです。

 袋から出てくるサラサラのイースト菌は、いわばまだ冬眠中の状態。そのイースト菌を目覚めさせるのは、お風呂の温度くらいのお湯です。冷たくても熱すぎてもイースト菌は嫌がります。さらに、ずっと冬眠していたからイースト菌はお腹がペコペコ。だからすぐにご飯が食べたい。そんなイースト菌は甘いものが大好き。反対にしょっぱい塩は苦手。最初に塩を食べてしまうと、元気がなくなっちゃって、その後働いてくれなくなってしまいます。

 さて、このイースト菌の好みさえわかれば、材料を置く場所が分かります。

 イースト菌は砂糖が好きだから、砂糖の上に置く。反対に塩に出会ってしまうと働きが弱くなってしまうから、塩は対極におく。温かいお湯はイースト菌に向かってゆっくり注ぎ入れる。

 ここで砂糖とイースト菌が出会えばOK。

 油も、お湯と混ざらないように対極に置きます。強力粉をちょっと窪ませて、そのなかに入れてしまうのもいいですね。

 油はバターでもよいですが、私は米油を使用しています。バターより計量が楽ですし、米油を加熱したときにできる「バニリン」という甘い香りが大好きだからです。

 イースト菌の好き嫌いがわかれば、パン作りの関門を突破したようなもの。お子さんにも、どうしてこのように材料を入れるのかを伝えてみてください。配置の仕方はイラストにしていますので、こちらも参考にしてくださいね。

次のページ
2つ目のポイントは…手を使わない!