1月19日、日本維新の会の拡大執行役員会で、「代表代行」だった橋下徹大阪市長(43)を「共同代表」にする人事案が了承された。橋下氏は3月に開かれる結党大会で正式に共同代表に就任する予定だが、その大会を東京と大阪のどちらで開催するか激論になったという。

 そんな維新の“内紛”を横目にほくそ笑んでいるのが与党・自民党だという。1月11日に安倍晋三首相(58)はわざわざ、大阪市内のホテルに立ち寄り、国会議員ではない橋下氏と松井一郎幹事長に会って今年度補正予算案の早期成立の協力要請をした。

 これは、次の参院選で野党第1党は、もはや死に体の民主党ではなく維新になる、とみている菅義偉官房長官(64)が指南したパフォーマンスだったという。

「菅氏と松井氏はいま、携帯電話一本で話す仲。元自民党府議で安倍氏のファンだった松井氏が昨春、『僕らを利用してください』と菅氏に接近したことがきっかけだった。菅氏は、そんな松井氏を利用し、安倍新党を作ると口三味線に乗せ、その外圧を巧みに使って、それまで党内で傍流だった安倍氏を総裁の座に見事、返り咲かせました。橋下氏の人気まで『自民に取り込まれた』と見せて落とす、まさに一石二鳥の策だったのです。菅氏らはうるさ型の石原慎太郎氏ら旧太陽系と連携する気はない。石原氏を外し、あえて橋下氏と会うことで、維新の内部対立を煽り、手のひらで踊らせる作戦を描いているのです」(自民党執行部)

週刊朝日 2013年2月8日号