

監督として2作目となる映画「十二単衣を着た悪魔」を手がけた黒木瞳さん。映画監督としての抱負、そして楽しみとは。
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【前編「伊藤健太郎、三吉彩花が想像していない顔を…黒木瞳の映画監督術」より続く】
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新型コロナウイルス感染症の流行によって、この3月以降は、演出を担当していたショーが中止になるなど、「エンターテインメントの役割ってなんだろう?」と、ふと立ち止まって考えざるを得ないような数カ月を過ごした。
「でも、明日のこともわからないという状況は皆同じだったので、焦っても仕方がないなと。そんな中で、私たちの活動を待ってくれている人がいたことに、ずいぶん励まされました。私が、映画や小説や宝塚との出会いによって、想像もしていなかったような人生を送れているように、エンターテインメントは、誰かにとっての力になる可能性を秘めている。そのことに、改めて気づかされた時期でもあります」
2作目にして、映画監督としての自信は全くないそうだが、「女優としても、“もっともっと”と“まだまだ”の繰り返しです」と静かに語りながら、「ただ、作品に対する情熱、愛着、熱意がある限りは携わっていきたいです」と続けた。
「監督業の楽しみは?」と聞くと、「ロケハンの間に食べる天ぷらそば」と茶目っけたっぷりに答えた。