先日、知り合いのお子さんに歯が生えてきたということで、白い前歯が少し顔を出した、可愛い写真を見せていただきました。
我々人間の歯は、親知らずを除くと、前歯と犬歯、奥歯の3種類、28本で構成されています。そしてそれぞれが別の役割をもっていますので、虫歯などで一部が抜けてしまうと、結構不便ですよね。
では、魚たちの歯はどうなっているんでしょうか?
魚たちの歯は、それぞれの食性によって、大きく4種類に分かれています。
歯と言ってまず思い浮かべるのがサメですよね。1975年に公開されたスピルバーグ監督の映画「ジョーズ」は、サメの恐ろしさを世界中に植えつけたと言ってもいいのではないでしょうか。
サメに代表される、他の魚などを捕らえて食べている魚は、人間でいう犬歯のようなとがった、鋭い歯を持っています。その歯で獲物を捕らえて逃さず食べます。
こうした歯を持っているのはヒラメやタチウオ、マグロなどです。ただサメと違うのは、これらの魚は、その鋭い歯で獲物となる魚を捕らえますが、そのあとは多くの場合、獲物となる魚を丸のみしているようです。
アジなどの生き餌でヒラメを釣る場合に「アタリがあってもすぐに合わせるな」と言われるのは、ヒラメが餌をのみ込むまでじっくりと待てということなんですね。
一方、人間でいうところの前歯のような門歯を持っているのが、カワハギやフグ、イシダイなどです。これらの魚は、海藻類を噛みちぎったり、岩に張り付いたフジツボなどを剥がしとって食べたりするために、口の前の方に、板状の門歯を持っています。
磯の王者と言われるイシダイやイシガキダイの歯は、非常に丈夫でクチバシのような形をしています。この歯でサザエやウニなどの殻もバリバリと噛み砕いて食べています。
また、フグの歯は非常に薄くてカミソリのようになっているので、間違ってフグの口の中に指を入れてしまうと大変なことになってしまいます。丈夫な釣り糸でも簡単にスパッと切ってしまうほど鋭い切れ味なんです。