「向井さんがテレビであそこまでダークな一面をさらけ出したのは初めてじゃないでしょうか。例えば、現場のスタッフに『ナルシストキャラでいってください』と突然言われ、『なんでキャラ変しなきゃいけねぇんだよ』と猛烈に腹が立った向井さんはその怒りをグッとこらえ、番組名とスタッフの名前をノートに記す、といった感じです。向井さんぐらいになるといろんな現場でさまざまなスタッフと仕事をするので当然、腹立つことも多いでしょう。それを向井さんは克明に記して、絶対に忘れないようにしている。ある意味、真面目過ぎるのかもしれませんが、きっとその怒りが次の現場に活かされることもあるんでしょう。さしずめ“デスノート”のような存在ですが、今の向井さんを支えているのは意外とこのノートなのかもしれません」(前出の放送作家)
高評価を得ている個別出演に対し、お笑いトリオ・パンサーとしての評価はどうなのだろうか。スポーツ紙の芸能担当記者は「向井さんはどれだけ個人で活躍できても、パンサーとしての評価をもっと得たいはず」と語る。
「現在、パンサーとして『有吉の壁』でネタをやったりはしていますが、トリオで冠番組を持つまでにはいたっていない。以前『ロンドンハーツ』で“パンサーに新メンバーが増えたら”というドッキリ企画があり、それを仕掛けられた尾形さんが意外にも『メンバーを増員することに前向き』だということが判明。仕掛け人役の向井さんが逆に困惑していましたが、それほど彼はトリオでの成功にこだわっているとも言えます。同じトリオ芸人としてジャングルポケットがいますが、彼らは賞レースでも毎回のように結果を出すほどネタには定評がある。パンサーのネタは菅さんが作っていますが、今後彼がジャンポケを超えるほどのネタを作り出すのかどうかにかかってると思います」
TVウォッチャーの中村裕一氏は、パンサー向井の芸人としての可能性をこう分析する。
「清潔感があって悪目立ちせず、たたずまいに嫌味がないのがタレントとして何よりの強み。本人的には『個性がない』『華がない』と気にしているかもしれませんが、前に出すぎる尾形と、後ろに下がりすぎる菅に挟まれつつ、2人を上手に引き立てながら自身のポジションを確立している。非常にバランス感覚に長けている人物だと思います」
中村氏は「情報番組MC抜擢されるのは時間の問題」と続ける。
「良い意味でMCに個性は必要ありません。周りをまんべんなく見渡せる視野の広さと、丁寧なフリができるきめ細やかな気配り力、そのどれも兼ね備えている彼なら、ブレイクスルーするのはもはや時間の問題。そうして得た経験やエピソードをパンサーの活動にフィードバックすれば、トリオとしての価値も上がり、さらなる笑いが生まれることは間違いありません。加藤さんや設楽さんに続く、お笑い出身の次世代MCとして注目している関係者は決して少なくないでしょう。早ければ年末年始の特番から彼の活躍を見ることができるかもしれません」
果たしてパンサー向井がお茶の間を席巻するのはいつの日か。パンサーの快進撃もあわせて心待ちにしたい。(藤原三星)
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