「夜中急に具合が悪くなったとき、救急車を呼ぶ例もあります。そのとき、救急車に乗っていく人が必要、さらに病院ですぐに医療処置を受ける場合は、保証人の承諾が必要になります。病院によっては医療処置の判断を親族にしてほしいという場合もある」(ケアハウス経営者)
結婚しなかった人、離婚した人、伴侶が亡くなった人、子どもがいても遠方にいる人、家族がいても80代以上で保証人の役を担えない人……。さまざまな理由から保証人で困っている人が最近、増えている。
いくつかのケアハウスに確認すると、身元保証人は親族が原則。いない場合は第三者を立てるか、職業として弁護士、司法書士、行政書士として活動している人に依頼するケースもある。
あるケアハウス経営者が「NPO法人きずなの会に保証人さんを頼んだ方が入居しています。よく対応してくれています」と教えてくれたので、さっそく「NPO法人きずなの会」を取材した。
きずなの会はケアハウスに入るときの身元保証のほか、病院や施設からの呼び出しには、「生活支援」の部門に当てはまるので対応できるという。入退院の付き添い、入院中の物品のお届け、手術立ち会い、病院、施設、ケアマネとの調整や協議にも対応してくれる。
入会金等は44万円(入会金40万円、初年度の事務手続き費、年会費など)。ちなみに年会費は年1万円。入会金のほか、いくつかの支援項目があり、身元保証支援は18万円、生活支援は基本金10万円、預かり金20万円。弁護士法人手数料等は7万円。葬送支援は事務支援、葬儀支援、納骨支援にわかれ、それぞれ金額は異なる。全部を頼むと預託金は190万円だが、各項目のうち入会金等、弁護士法人手数料等、消費税及び予備費は必須で、あとは選択できる。きずなの会の入会者が病院に緊急搬送された場合など(2時間以内に対応が必要な場合)、きずなの会の担当者が駆けつけるが1出動4時間以内は1万円。その他病院に医師の説明を受けに行ったり、退院後本人の希望での通院付き添いは、1時間千円(担当者が事務所を出て支援をして事務所に戻るまでの時間)。交通費に関しては本人がタクシーや介護タクシーで直接行き、病院で落ち合うケース、支援員が自宅に行って一緒に病院まで行くなどケースによるので、それらをひっくるめて1時間千円としている。これらは生活支援の預かり金20万円でまかない、足りなくなったら追加する。