※写真はイメージです (GettyImages)
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 個室3食付きで月7万円からと、年金で暮らせる「ケアハウス」。本誌でこれまで2度、特集したところ、大きな反響があった。しかし、おひとりさまの場合、入居のネックになるのが、保証人の問題だ。解決法とは? 介護福祉士でライターの栗原道子氏が解説する。

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 筆者のもとに9月末、編集部経由でケアハウスに入居したいという手紙が届いた愛知県で暮らしている81歳の男性、Oさんは妻が数年前に亡くなり子どもはいない。

 アパートで一人暮らしをしているが、愛知県内のケアハウスの情報が欲しいという内容だった。本人に電話をすると声は思いのほか若く、候補を挙げてくれれば、自分で訪問してみるという。

 Oさんのように自分の年金と預貯金で入居しても大丈夫か?などと判断できる人は自立支援型のケアハウスがおすすめだ。住まいを決めるには脳に若さがある間のほうがいい。

 筆者がOさんの条件に合いそうなケアハウス3~4軒を言うと、さっそく書類を取り寄せて2カ所を選んで訪問したという。

 どちらも保証人2人が必要だった。Oさんのようにおひとりさまになった人が高齢者住宅に入居する際、ネックになるのは、保証人だ。

 幸いなことにOさんの場合、姪御さんや甥御さんと良好な関係で、どちらのケアハウスの申込書にも快く保証人の印を押してもらえたという。そして11月には無事、ケアハウスに入居した。

 妻を亡くしてから数年間、Oさんはお正月を一人で過ごした。寂しさを紛らわせるため、弘法大師のお参りやバスツアーなどに参加したが、夫婦連れや友人同士で参加する人が多く、独りで参加するとかえって寂しくなってしまったそうだ。

「2021年のお正月は何年ぶりかで家の中に人がいる」とOさんは楽しみにしているという。

 実はケアハウスの入居の障壁となるのは保証人問題だ。筆者がNPO法人「シニア住まい塾」をやっていたときから相談が非常に多かった。保証人は2人という施設が多く、「身内に限る」「何かあったときにすぐ駆けつけられる人」「友人・知人でもいい」「緊急のときに30分以内に駆けつけてこられる人」などの条件がつくこともある。

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