4人もの誤認逮捕という警察の大失態を引き起こしたパソコン(PC)遠隔操作事件が、遂に大きく動いた。2月10日、威力業務妨害容疑で逮捕されたのは、東京都江東区のIT関連会社員、片山祐輔容疑者(30)。ネット掲示板に「大量殺人予告」を書き込んで、イベント開催を妨害したとされる。

 オタク風の、小太りでメガネの男がと戯れる――片山容疑者が逮捕前日に「猫カフェ」で見せた姿は、テレビや新聞でも報じられた通り。PCを乗っ取り、誤認逮捕で他人の人生をメチャメチャにした「真犯人」の意外な素顔だが、実はこれがとんだ余波を生んでいる。片山容疑者の様子を証言した「猫カフェ」に、批判が殺到しているというのだ。

 猫カフェ関係者は困惑した様子でこう話す。

「批判的な電話やメールが何件も来ました。ネット上では、店を批判するような内容の書き込みまで出てきているんです」

 確かにネット上では、〈猫カフェって客の陰口叩くのが当たり前の所なのか? そんなプロ意識の低い店は行きたくない〉〈接客業として最低〉などと書き込まれている。要は、客のことをペラペラとしゃべるのは個人情報の流出だ、という批判だ。

「ネットや報道で出回っている写真も、『店側が提供した』などと言われている。でも、それは事実ではありません。あの写真はマスコミが勝手に撮った写真で、私たちは提供していない。なのに盗撮をしたとか、個人情報を流したとか、いわれのない誹謗中傷があまりにも多くて……。本当にまいってます」(先の猫カフェ関係者)

週刊朝日 2013年3月1日号