林:つか(こうへい)さんとは接点があったんですか。

浅野:いや、僕はないです。

林:浅野さん、つかさんとはちょっと肌合いが違いますよね。もうちょっと正統派の感じがします。

浅野:アンダーグラウンドとか、そっちのほうではないですね。

林:井上ひさしさんのお芝居にもお出になってましたね。

浅野:2本ですね。最初は「キネマの天地」で、2本目が「藪原検校」という芝居で。

林:「藪原検校」は見ました。あのお芝居、いろんな人が出てきて、ものすごい長ゼリフで。

浅野:あれは大変でした。1年前からセリフを覚え始めましたよ。

林:井上先生はギリギリまでホン(台本)を書かないことで有名でしたけど、そのときはちゃんと書いてたんですか。

浅野:あれは再演だったので、ホンがあったから、その意味ではラクでしたけど、あんな作品をギリギリで持ってこられたら、ちょっと無理じゃないですか。とにかく3ページに及んでずっとしゃべったり、しかも盲目の役ですから、ほとんど前を向いて、ギタリストがいて、目をつぶって感じながらしゃべるんですからね。舞台に出る10分ぐらい前から、ソデでじっと修行僧みたいに瞑想するような気持ちで待って、それから出ていきました、毎回。

林:精神的にも大変だったんですね。

浅野:「浅野、ちょっとやせたな」って言われて、家に帰って量ったら、ほんとにやせてました。途中でおしっこに行きたくなったらどうしようと思って、出もしないのに行くんですよ。終わってからちょっとおかしくなってたので、医者に行ったら「出もしないのに無理やり出してるからだ」って言われました。

林:浅野さん、背が高くて脚が長いですけど、この体形を維持するのに何かなさってるんですか。

浅野:維持しようと思わなくてもこのままなんですよ。ぜんぜん太らないんです。遺伝じゃないですかね。うちの家系は太っちょさんがいないんですよ。ちょっと太りたいぐらいです。それと僕、4人きょうだいのいちばん下で、年が5、10、15と違うんですが、年相応に見えないというか、みんな若いんです。

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