そんな猫山さんが考えてくれたのは、これ一つでダイエットが完結するという「超」脂肪燃焼スープだ。
「1週間、このスープだけで脂肪燃焼と栄養バランスを両立させられるようにしました」
猫山レシピのポイントは、次の三つだ。
(1)えのき入りの鶏だんごでたんぱく質と満足感を補う
(2)ベースのだしを2種類使う
(3)食べるごとにニラなどの葉物野菜を新たに投入する
鶏だんごは猫山さんの自信作。だんごにえのきを入れるのにも理由がある。
「野菜の中でも比較的高たんぱくであること、血流改善、脂肪の吸収を抑制する効果、脂肪を燃焼させる効果が臨床試験によって確認されている、ダイエット優秀食材だからです」
(1)の鶏だんごを作るのが面倒な人は、ささみや皮なし鶏むね肉をぶつ切りにし、日本酒少々と醤油で下味(ここ重要)をつけたもので代用してもいい。
(2)は、鶏ガラ×昆布、コンソメ×カツオなど2種類のだしを重ね使いすることで旨味が劇的に上がるという。ただし3種類以上は味がぼけるのでNG。
(3)の葉物野菜はニラが一番のおすすめ。東洋医学に、食べ物を「熱性食物」「温性食物」「中性食物」「冷性食物」に分ける考え方があるが、体温が上がりやすい熱性食物や温性食物を中心に今回のスープの材料を厳選した。体温が上がれば基礎代謝の向上につながり、結果的に脂肪燃焼に直結しやすいという理論だ。食べるたびに野菜を投入するのは、熱による栄養素の損失を最小限にしたいからだ。
さて実食。最初にごま油でにんにくとしょうがを炒めてあるので香りが抜群にいい。えのき入り鶏だんごが「えっ」と声が出るほど柔らかい。食べ始めて数分後、汗が噴き出てきた。撮影日の気温は19度である。
猫山さんから食後のアドバイスもあった。
「脂肪燃焼スープを食べて体がポカポカした状態で、ふくらはぎを揉んでみてください。筋肉量の多いふくらはぎに刺激を与えることで、血流改善と脂肪燃焼を促せると思います。かかとの上げ下げを素早く30秒行うだけでもOKです」
※【脂肪燃焼スープ「理にかなっている」と太鼓判 東洋医学に精通する医師が“ちょい足し白湯”の提案も】へ続く
(フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)
※AERA 2020年12月7日号より抜粋