注力したのは、スーパーで誰でも買える素材で手軽に始められること。玉ねぎ、セロリ、キャベツ、トマト、にんじん、ピーマンを食べやすく切り、水とコンソメで煮るだけのレシピにした。当初は血流をよくして代謝を上げる目的から「さらさらスープ」と命名。その後、この野菜スープ生活を試した人から「スープをおなかいっぱい食べているのに、体重がするする落ちていく」という報告を多数受け、岡本さんは驚いた。
2005年ごろ、このスープが雑誌に載って話題になり、『毒出し脂肪燃焼スープが効く!』(現在は絶版)というムックも出版された。岡本流「脂肪燃焼スープ」の誕生である。
このレシピは材料に使うセロリやピーマンの風味やクセが強い。効果を落とさず、味を改善してほしい──。岡本さんはそんなわがままをかなえる二つの新アレンジを教えてくれた。
■和風と洋風を作り置き
一つは「和風」仕立ての脂肪燃焼スープだ。大根、にんじん、ごぼうといった体をあたためる根菜をたっぷり使い、さらに血流サラサラ効果が望める玉ねぎも入れる。食物繊維豊富でスープのうまみが格段にアップするしいたけも。しょうがも入れてポカポカ感をダメ押し。味のベースには市販の顆粒和風だしを使って手軽に作ろう。
元祖脂肪燃焼スープとの大きな違いは、仕上げに良質の油を少し入れることだ。
「和風味には、アマニ油かえごま油などがおすすめです。いずれも熱に弱いので鍋には入れず、皿に盛ってから小さじ1程度をタラリとかけます。少量でもコクがアップします」
実際に作って食べてみると、スープがしみる。滋味あふれる和風味に噛みごたえのある根菜の食感が加わり、満足感がアップしていた。小さじ1杯の油の威力も絶大で、ダイエットスープであることを忘れそう。
もう一つは「洋風」仕立ての脂肪燃焼スープ。顆粒の洋風だしに、キャベツ、にんじん、きのこをどっさり。味出し用にハムも入れる。にんにくとしょうがもしっかりと。トマト抜きミネストローネのパワーアップ版といったイメージだ。仕上げに加えるのは、少しのバターか、できればエクストラバージンオリーブオイル。
ハムから意外なほどの旨味が出ていた。そしてほんの少しのバターが本当にいい仕事をする。「こんなに味が変わるのか」と撮影スタッフ一同は感涙した。