「6from HiGH & LOW THE WORST」の脚本は、自由度が高く、いい意味で余白だらけなので、その余白を自分でどう埋めるかを考えるのが面白かったです。「役者自身を持ち込んでください」って言われているような気がして、「ここはこうしたい」と自ら提示していけることにも、やりがいを感じました。

 ミャンマーに生まれ、10歳で来日した。「レディ・プレイヤー1」(18年)や「蜜蜂と遠雷」(19年)での流暢(りゅうちょう)な英語は、幼い頃にミャンマーでともに暮らした祖母からの影響が大きいという。

■ミャンマーを知って

森崎:若い頃にアメリカに住んでいた祖母が僕に英語を教えてくれていたんです。祖母は洋楽が好きだったこともあり、僕も幼い頃からマイケル・ジャクソンやマドンナの曲を聴いて育ちました。とはいえ、必ずしも欧米に対して強い憧れを抱いていたわけではないんですけれどね。

 来日してからは、大変だったこともあったのかもしれませんが、どれも乗り越えてしまったので。「あのときは大変だったな」と多少振り返ることはあっても、もう忘れてしまったな、と思うこともあります。

 今秋、放映されたNHKドラマ「彼女が成仏できない理由」では、漫画家を目指してミャンマーからやってきた留学生を演じた。

森崎:日本の作品で、ミャンマーからの留学生を演じられるのは純粋にうれしいことでした。自分の目標の一つである、「エンターテインメントを通じて自分の国を知ってもらう」ということに近づけた一歩だったと思います。「エンタメを通じて自分の国を知ってもらう」って言葉にすると、格好つけているように聞こえるかもしれませんが、欧米や韓国の役者のなかには、日本で広く知られている人もいるのに、ミャンマーの役者はほとんど知られていない。だったら、自分がミャンマー代表を目指せばいいし、そうなりたいな、という気持ちがあります。

 ミャンマーでも現地の連続ドラマや映画に出演しましたが、改めて感じたのは、エンタメって本当にボーダーレスなものなんだ、ということ。どのようにして作品をつくるかは違っても、作品にかける熱量みたいなものは、どこの国であっても変わらないと実感しました。

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