「どんな無茶ぶりでも必死で返して、爆笑させてくれる。コイツ、天才だと思いましたよ。でも10時間熱演して楽屋でクタクタになっているから、本番では全然実力を発揮できない。古坂の面白さの10分の1も伝わっていないなと思いましたね」

 そんなことが何度もあった。ついた名前が「楽屋で日本一面白い男」。古坂はこれを、負けず嫌いの性格と、面白い奴・才能のある奴と思われたいという自己承認欲求の表れだと自己分析する。

 古坂とは幼稚園からの幼なじみで、00年以降彼のマネージャーになる白取輝知(しらとりてるとも)(エイベックス・マネジメント執行役員)は、「目の前にいる人が笑わないと嫌なのが古坂だ」という。

「たとえばリハーサルでウケても、同じことを本番でやってもスタッフは笑わないから違うことをやる。結果ウケない。同じことをやればいいじゃないかと言っても嫌だと、ホント頑固者です」

 人と同じことをするのも大嫌いだから、笑いの王道はわかっていてもやりたがらない。古坂は、テレビがそのときに売れている芸人の個性が出やすい構成になり過ぎるため、自分が表現しにくいとディレクターに訴え、もめたこともあった。
(文・西所正道)

※記事の続きは「AERA 2020年12月21日号」でご覧いただけます。

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