今年もさまざまな芸能ニュースが世間を騒がせたが、やはりこの1年を振り返るうえで新型コロナウイルス感染症がもたらした影響は無視できないだろう。
志村けんさん、岡江久美子さんが鬼籍に入られたのは今なお現実として受け入れ難いが、いまだに芸能界は新型コロナの脅威にさらされている。
ここに来ての“第3波”を受けて、吉本興業が、年末年始の特別公演と主催ライブ214公演の開催を自粛することを発表したのは記憶に新しい。芸能界全体でみても公演やコンサート、イベントなどの営業の仕事が通常稼働できなくなり、多くの会社、組織が甚大な被害にあえいでいる。
実際、経営難から所属タレントとの契約を見直したり、スタッフをリストラしたり、経営のスリム化を図ったりしている芸能事務所は少なくない。これまで何とか粘り腰をみせていたものの、今回の第3波でギブアップしてしまう会社も今後出て来るだろう。本当の危機は年明け以降に顕在化しそうな気配である。
また、最近では人気お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」による吉本興業からの独立が発表されたが、2020年は人気タレントの独立が目立った年でもあった。
2月には中居正広がジャニーズ事務所からの独立会見を行い大きな話題を集めたが、その後に同事務所からは手越祐也、山下智久が去り、「少年隊」の錦織一清と植草克秀が年内一杯で、「TOKIO」の長瀬智也も来年3月一杯で退所することが発表されている。
昨年7月に創業者でカリスマ的存在だったジャニー喜多川社長が死去した後、「これから所属タレントの独立が加速するのでは?」という懸念は以前からファンや業界内にあったが、現実としてわずか1年半ほどの間にこれだけ人気タレントの独立劇が続くと、時の流れの早さを痛感させられる。
独立でいえば、一部で“お家騒動”が報じられた「オスカープロモーション」からも今年は数多くの人気タレントが退社したが、中でも長年事務所の看板女優の一人だった米倉涼子の独立は業界内にも大きなインパクトを与えた。