「闇営業での自粛期間中は、周りも応援してくれていたので、モチベーションは保てたんです。いろんな人に迷惑をかけ、助けられてきたので、すべての人に感謝の思いを込めてパフォーマンスをしようと頑張れた。でも、コロナはみんなですからね……僕は趣味もなくて、ステイホーム中はしんどかった。中学生の娘には、『パパ、毎日死んでたよね』と言われましたが、その言葉通り、抜け殻だったんです。何をするわけでもなく、ずっと座っていました」

 11月ごろから仕事も徐々に持ち直したと思いきや、感染者が急増した12月、ステージが相次いでキャンセルになった。

「今年1月のスケジュールは、真っ白だと思います。怖いので、スケジュールを見ないようにしているんです……なんて、いいことがないんだろう。『どーだい最低だろ~!』って感じです」

 くまだも丑年芸人らしく、今年の抱負については、のんびりとした答えが返ってきた。

「リモートでお笑いをやる中で、より『生』のお笑いを届けたいと思うようになりました。来年は、より一層、生のライブをやっていきたい!再ブレーク?いえ、そんなものは考えていません。“ミスター営業”として、テレビよりも、全国を回って生の笑いを届けたいです」

 実際にコロナに感染し、予想外の“痛み”に苦しめられた丑年芸人がいる。お笑いコンビ・パックンマックンのマックン(47)だ。

 昨年10月に新型コロナウイルスの陽性が判明。当初は無症状だった。

「友達が陽性だったので、一応PCR検査をして分かったんです。無症状だったので、『まさか自分が』って感じでした。僕は持病で痛風持ちなんですけど、陽性がわかってから突然、痛風の発作が4カ所も出て、足が痛くて立てなくなりました。それで4日間、『コロナと痛風』を理由に、隔離された入院生活を送りました。あと、コロナの影響なのか、ショックによるストレスなのかはわかりませんが、抜け毛も最悪でした。枕が毎日毛だらけで……」

 近年、パックンがコメンテーターとして活躍する一方、テレビで見かけることがなくなったマックン。コンビ格差が指摘されているが。

「テレビの露出は減っていますが、講演会などの仕事は増えています。もちろんコンビですが……。(相方の活躍は)うらやましくないと言えば、うそになります。でも、パックンが活躍する分野はアメリカの外交問題など、僕が入れる隙もない。でも、僕も投資についてはコツコツと10年以上勉強しているんです。パックンだけでなく、僕だってコメンテーターになりたいです。投資や子育ての分野でなら、活躍できるかも……僕にも仕事をください!」

 努力家でマイペースな人が多いとされる、丑年生まれ。どん底をみてきた3人も温厚で、ギラギラ感はまるでない。「ワイルド」「営業」「勉強」。牛の歩みのように、自分のペースで粘り強く「わが道」を突き進んでいってほしい。(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)

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