再ブレークに向けて、何か秘策はあるのか。

「僕みたいな一発屋の人は、アクセルを踏んでいるだけで、方向転換ができない。ひたすらまっすぐ進んでいるだけで、調節が利かないんです。このままもがき苦しみながらワイルドを続けていって、ふとした拍子に、時代にはまってくれればいいですね。ソロキャンプで再ブレークしたヒロシさんはうらやましいです」

 終始、どこか頼りなげな口ぶりのスギちゃん。最後に、今年の抱負を語ってもらった。

「物事は8年周期で動いていると聞いたことがあります。2021年は、ワイルドのブレークからちょうど8年、1周する時期です。だから、時代にうまくはまればいいなと。とにかく時代に乗っかってやろうと思います。YouTubeで『モーニングルーティン』がはやった時には、すかさず『ワイルドモーニングルーティン』の動画を投稿しました。僕の武器はワイルドしかありませんから。その時代に即した形で、ワイルドを届けていきたいですね」

 もう1人、踏んだり蹴ったりの状況で肩を落としている丑年芸人がいる。芸歴24年のくまだまさし(47)だ。

「2020年は、僕が生きてきた47年間で、最悪な1年でした……」

 06年、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)への出演を機にテレビ露出が増えたが、その後、地上波で姿を見かける機会は激減した。

テレビ出演はほとんどないものの、実は、“コロナ前”まで仕事は堅調だった。地方営業などのステージをメインに、手堅く稼いでいたという。

「吉本では5~6本の営業が平均と言われる中、僕はだいたい月15本の営業を持っていました。特に3月は歓送迎会シーズンで、たくさんのパーティーでネタを披露するはずだったのですが……昨年は3月2日の営業を最後に、9月ごろまで仕事がゼロになりました。真偽のほどはわかりませんが、吉本の数多くいる芸人の中で、僕は舞台やステージのキャンセル数がトップクラスに多いというのを聞きました。歩合制なので、収入はほぼゼロです……」

 くまだ氏の仕事が途切れたのは、実は2年連続だ。19年も、吉本の闇営業問題で約2カ月の謹慎期間があった。

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闇営業の謹慎期間を経て……