中高年女性の性の悩みは閉経やセックスレスなどいろいろあるが、性交痛もその一つ。日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫医師は、相手に性交痛を伝えることが重要だという。

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 日本家族計画協会家族計画研究センターでは、昨年ジェクス(コンドームメーカー)からの依頼で、インターネットで20~69歳の男女に性に関する様々なリサーチをしました(18万2919人のうち有効回答6961人)。

 興味深かったのが性交時の痛みについてです。痛みは女性の敵。既婚の40歳代では「いつも痛い」が4.4%。「だいたい痛い」が8.3%。「たまに痛い」は63.8%。既婚の20歳代でも大差がなかったんです。若い世代で痛みが出るのは、はやる気持ちを抑えきれずウエットな状況が作られる前に挿入するなど、中高年とはまた別の理由だと思いますが、痛みを相手に「伝えている」割合が、女性全体で3割程度と少ないことが気になりました。

 相手に言えないのはムードが悪くなるから? それとも遠慮? でも、セックスは対等な関係の行為です。我慢も遠慮もやめてほしい。男性側が無神経だったり、自分勝手だったりして、ネガティブなことは伝えにくいという背景もあるでしょう。でも、言う前からあきらめず、まず伝えて、その上で対策を考えるようにしましょう。

週刊朝日 2013年3月29日号