安倍晋三首相は15日夜、首相官邸で記者会見し、TPPについて「交渉に参加する決断をした」と正式表明した。テレビでコメンテーターとしても活躍している作家の室井佑月氏はこの問題についてこう言及する。
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TPP交渉参加をめぐり、先に交渉を始めた米国はじめ9カ国が、遅れて交渉に参加したカナダとメキシコに、すでに合意した条文は、後発の参加国は原則として受け入れ、再協議も要求できないなどの不利な条件をつけているという。
3月8日の衆院予算委員会で、日本維新の会の牧野頼久氏や、共産党の笠井亮氏が、そのことについて批判した。
「政府の情報収集と国民への説明が不足している」(松野氏)
「国民や国会には都合の悪い情報は出さず、国のあり方に関わる重大問題で、拙速に結論を出そうとする。絶対に許されない」(笠井氏)
だよね。TPPに参加するかしないかは、国民の生活に大きな影響があるだろう。なのに、その情報を隠したりするなんて酷い。しかし、参加するということが、この国の意志を飛び越え、もっと強い力で決められていることならば? 国民が反対しそうな情報なんて出したくないし、出しても意味ないと考えたか?
安倍首相も、強い力と国民との間に立って辛いのかも。けど、その立場を慮(おもんぱか)って「いじめられてるの?」と訊くと、「なにいってんだ、仲は良い」と答えるんだ。んでもって、そういう余計なことをいい出すやつが今度はいじめられる。
※週刊朝日 2013年3月29日号