鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)
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写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします
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作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします

 気の向かない男性からばかりアプローチを受けると困惑する26歳。出会いが少なく、無理をしてでもつきあうべきかと悩む相談者に、鴻上尚史が分析する「思う人には思われず、思う人には思われない」理由。

【相談91】自分では絶対に好きにならない男性からアプローチを受ける(26歳 女性 あまやどり)

 26歳の独身医療職です。

 自分では絶対に好きにならない男性からアプローチを受けることがあり困っています。このような書き方をして自惚れていると言われても仕方ありませんが、自分でもどうすれば良いか分からず相談させていただきました。

 初めは単なる友人や知り合いとして関わり始め、話をするうちに相手が頻繁にLINEをしてきたり食事などに誘ってくれるようになるのですが、決まって「生理的に恋愛対象として受け付けられない」方からこのようなアプローチを受けます。私自身も偉そうに言えるような人間ではなく、相手に大変失礼な言い方であることは承知の上ですが、自分を好いてくれる男性に限って恋愛対象として見ることができずとても辛いです。少しでも好きになれれば幸せなのにと思うのですが、どうしても男性として見ることができませんでした。別に自分を好いてくれる人が嫌いというわけではないです。

 決して容姿端麗で高身長がいいなどと高望みしているつもりはなく、話が通じて一緒にいて楽しい人だといいなくらいの希望です。よく「類は友を呼ぶ」とか「相手は自分を映す鏡」と言いますが、どう考えても自分とは合わない方からアプローチを受けてしまいます。

 出会いが少ないので人並みにお付き合いはしてみたいのですが、無理をしてでもお付き合いしてみるべきでしょうか。あるいは、自惚れている自分自身を見つめ直すべきでしょうか。

【鴻上さんの答え】
 あまやどりさん。あまやどりさんの相談を読んで思い出した言葉があります。

「思う人には思われず、思わぬ人には思われる」――誰が言ったか分かりませんが、昔からある言葉です。

 僕は、この言葉にはちゃんと理由があると思っています。

「思わぬ人」つまり、恋愛対象じゃない人とは、実に気軽に接することができます。飾らない自分というか、自然体で会話し、素直に反応し、リラックスした関係になるのです(もちろん、これは、ある一定のつながりがある人に限ります。職場の人とか仕事に関係のある人とかご近所さんとか、ちゃんと話す理由があって、なおかつ「思わぬ人」です)。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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